代表取締役 伊勢田 尚輝
プロフィール 神奈川県出身。中学時代にＦ-１レーサーに憧れ、猛烈にアルバイトをしてカートを購入。
レース活動を始めた。「チーム茶畑」所属選手として高校３年生時に神奈川県チャンピオンシップ獲得。以降、関東選手権、日本選手権とステージを上げ、26歳までレーシングカート・フォーミュラーカーとレーサーとして活動し、引退。
その後はカートショップ「ガレージ茶畑」埼玉支店店長を務め、2006年に「ガレージＣ」として独立した。
F1レーサーを目指して。
私が中学２年生の時にフジテレビがＦ-１中継を始めまして。レーサーに憧れて、レースを始めました。
まだ一般の方は 「Ｆ-１って何？」 という時代でしたから両親には反対されました。それでも私は、高校生になってから一生懸命アルバイトして、35万円くらい貯めてカートを買いました。幸いにも兄がクルマ好きだったので、購入の際に必要な保護者の同意やヘルメットなど装備品の確保に協力してくれ大いに助かりましたね。
当時は神奈川に住んでいて、大井松田にあった 「ガレージ茶畑」 に所属してそこのカートランドで練習していました。それで、高校２年生の時に地方のサーキット・レースに出場したのですが、最初の２レースとも予選落ちしてしまって。負けず嫌いだから、とにかく悔しくて、悔しくて･･･。それから４ヶ月、レーシングカートの事だけを考えて練習に明け暮れました。
その甲斐があって、その次の年のレースの開幕第１戦では予選でポールポジションを取り、決勝を走りました。でも、先頭争いで接触事故を起こしてリタイアしてしまって。もう、男泣きですよ（笑）。ボロボロと。それで一層のめり込んで、次のレースまで猛練習して、２戦目で雪辱を果たしました。以降のレースもその調子で気合を入れて走り、最終的にシリーズチャンピオンになりました。それでも自分としてはＦ-１レーサーが最終ゴールですから、シリーズチャンピオンも通過点に過ぎないわけですよ。それで、すぐに関東選手権にエントリーしました。でもさすがに、このクラスになると全関東のトップクラスと競り合いますから、初年度は全日本選手権への出場権が得られるシリーズランキングトップ10には入れませんでした。それでまた猛練習をして、次の年はランキング入りして全日本に上がりました。
後輩の指導から選手育成の喜びへ。
高校時代から26歳になるくらいまで現役生活を続けましたが、トップランナーを続けるには20代後半になると肉体的な限界が見えてくるんですよ。
その頃には後輩たちの指導もするようになっていて、そちらが次第に楽しくなってきたんです。自分が培ってきた技術を教えた選手が上達していき、レースで結果が出せたときの喜びは格別でした。
ちょうどその頃に、「チーム茶畑」 を運営していたカートショップの 「ガレージ茶畑」 が秋ヶ瀬サーキットの近くに支店を出すことになり、店長にならないかというお話をいただきまして。それでここに来て、カートショップの経営と、レースでは自分のチームを育てる側に回り、2006年に 「ガレージＣ」 としてグループ内で独立したのです。
趣味でカートをされている一般のファン層を大事に。
何事も決してあきらめずに挑み続けること。あきらめないで頑張れば、必ず結果がついてきます。
まさにそれを実践し続けた選手時代でしたし、「ガレージＣ」の経営でもこのテーマに挑み続けています。
大きな目標はレーシングカートの底辺の拡大とレースチームのさらなる発展です。レーシングカートのファンの拡大のために2013年には神奈川県にレンタルカートコース『湘南シーサイドGP』をオープンしました。この施設ではより気軽にレーシングカートを体験することができます。レースチームでは数年連続で本格的な選手権レースへ参戦しています。そこから全日本カートレースやフォーミュラーカーレースへステップアップする選手も出てきています。
そして一番に重きを置いているのが一般のカートファンを大切にする事です。どこのショップも大きな大会があればスタッフ総出で出掛けますが、当ショップは例え大会当日でも必ず店番を置いてレースに出かけます。地元で走る一般の愛好者を大切にしているわけです。頂点を極めることも大事ですが、モータースポーツの発展のためにも、趣味でカートをされている一般のファン層を大事にしていきたいと考えています。
NEVER GIVE UP！
サーキットに自分の汗と涙を吸い込ませた者には、次の挑戦者を育てる義務があると思うんですよ。
ヨーロッパではレーシングカートの位置づけが高くて、カートで２～３年揉まれるとＦ-１デビューも夢ではありませんが、日本では、フォーミュラカーとカートは別物という認識しか持たれていません。この現状も変えていかないと。
これからも 「ガレージＣ」 は、一人でも多くの人にレーシングカートの魅力を伝えていくべく、また、優秀なプロレーサーを世界に送り出すチームとして、全力疾走を続けていきます。
